原発事故は他の事故と何が異なるのか?:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

チェルノブイリの負の遺産
写真(チェルノブイリ原発事故による負の遺産:健康被害) 

 原発事故と自動車事故を無理に比較して、原発事故被害を過小評価する人がいることを最近知りました。原発マフィアの手下なのかも知れませんが、基本的知識や最低限の想像力に欠ける人の発言を聞くと本当に疲れます。

 しかし、発言主が著名人だったり立派な肩書を持っている場合、聞く側が用心していないと簡単にだまされてしまうケースも多いのです。だまされない為には情報収集と共に、自分の頭の中を整理する必要があります。

 IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が役に立ちそうな記事を書いているので、リンクを以下に貼ります。( )内は私の日本語訳です。

「Why nuclear disasters are different from any other」(原発事故は他の事故と何が異なるのか)

 上記リンクの英文記事を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Frequency of occurrence and causes:
In the year 2015 there exist approximately 440 nuclear power plants (NPPs) in 28 countries, often in areas of high population density. After the NPP accidents of Three Mile Island (USA, 1979), Chernobyl (1986) and Fukushima (Japan, 2011) nuclear disasters unfortunately can no longer be considered hypothetical or unlikely. Among the diversity of the causes of accidents, technical malfunctions, human error, aging facilities, fire risk, exceptional climatic events, terrorism and plane crashes have to be mentioned.」
(事故の発生頻度と原因:
 2015年現在、世界28か国に原子力発電所は約440基存在し、その多くが人口密集地域に位置している。スリーマイル(1979年:アメリカ)、チェルノブイリ(1986年)、そして福島(2011年:日本)で事故が起こって以降は、原発災害のことを起こりそうもない想定上のことだと言えなくなってしまった。事故原因は多岐に渡っており、技術的欠陥・人間が冒すミス・経年劣化・火事の危険・気象異変・テロ・飛行機の墜落激突を考慮に入れねばならない。)

「Magnitude, complexity and nuclear fallout:
Nuclear disasters are not comparable to other types of natural or technological disasters because of their magnitude and complexity and the high risk of regional and global radioactive contamination by a large diversity of released radio-enuclides, which are invisible, odorless and frequently long lasting.」
(事故の規模・複雑さ・放射性物質:
 原発災害は規模が大きくて複雑なだけでなく、放出される放射性物質が多種類で広範囲を汚染する危険性が高い。放射性物質は目に見えず、臭いもせず、長期間留まることが多い。それ故、原発災害は、他の自然災害や技術ミスによる事故と比較できる代物ではないのだ。)

「Management:
managing nuclear disasters is very complicated as emergency measures are extremely difficult, due to possibly high radiation levels of the site of the accident. Furthermore, the geographical and meteorological situations may influence salvage measures. Long term management may require costly wide-spread decontamination and storage of large amounts of high level radio-active waste.」
(管理の困難さ:
 原発災害の管理はとても複雑なものだ。事故現場の放射能レベルが高くなっていると、緊急対応策の実行は極めて困難になる。さらには、地理的・気象的要因が対応の足を引っ張る可能性がある。広範囲の除染には多額の費用がかかり、高レベル放射性廃棄物を大量に保管しなければならないなど、原発災害の長期的管理には困難が伴う。)

「Immediate and long-term health effects:
Due to ionizing radiation nuclear disasters may have serious immediate effects on the health of the salvage teams. Due to their limited operating times in a high radiation environment, recruitment of large numbers of liquidators must be anticipated. Besides short-term health effects, environmental contamination may have serious long-term consequences for the health of the population and animals living in the vicinity of the NPPs. In particular pregnant women and small children may sustain genetic damage, which could be expressed only years after exposure. Other long-term effects are different neoplastic and non-neoplastic diseases.」
(健康面での急性障害・長期的影響:
 原発災害で発生する電離放射線により、原発作業員は深刻な急性障害に陥る可能性がある。線量が高い環境下では作業時間が限られるため、原発作業員の大量募集を想定しなければならない。急性障害だけではない。環境が放射性物質で汚染されるため、原発周辺の住民や動物が長期的に深刻な健康被害を受ける可能性がある。特に妊婦や小さな子供は遺伝子が損傷する可能性があり、それが明らかになるのは被爆後何年もしてからだ。長期的影響は他にもあり、腫瘍性疾患と非腫瘍性疾患に分けられる。)

最後に:
 冒頭の写真を含めて、様々な健康被害の状況を下記サイトで確認することが出来ます。
チェルノブイリレガシー 


以上
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日本の報道機関が危機的状況に陥っている:イギリスのガーディアンの記事紹介

古賀茂明
写真(元通産官僚の古賀茂明氏) 出典:Kazuhiro Nogi/AFP/Getty Images

 安倍総理が率いる自民党政権は衆参両院で多数を占めており、一見、盤石な政権基盤を誇っているように見えます。しかし実際には脆弱であり、いつ権力の座から転落するか分からずビクビクしています。

 有権者の中で自民党に投票した人の割合は全体の2割弱です。 選挙制度の欠陥が自民党に多数の議席を与えているに過ぎないのです。

 自民党政権が一番恐れているのは、国民の無関心層が問題意識を持ち、その怒りが自分たちに向くことです。もしそうなったら、選挙で簡単に負けてしまいますから・・・・。そうならないために自民党は色々と悪知恵を働かせています。

①原発被害、貧富の格差、国民負担の増加、などのマイナス情報を隠す。(権力にとってのマイナス情報は、国民にとっては必須の情報です。)
②侵略戦争の事実を否定し、文句を言う中国・韓国を仮想敵国に仕立て、国民の怒りをそちらに向ける。
➂影響力の大きい大手マスコミを懐柔し、時には脅しも混じえて政府の広報機関に仕立てる。
④その他いろいろ・・・

 上記➂については、テレビ朝日の報道ステーションが最近話題になりましたね。元通産官僚の古賀茂明さんが安倍政権への批判をテレビで繰り広げたため番組出演できなくなってしまいました。権力批判をする人間をテレビから駆逐し政権の広報機関化を進めてしまうと、視聴者は知的な刺激を受けなくなり番組の魅力が無くなります。結果として視聴率の低下につながり、困るのはテレビ局自身だと思います。

 古賀茂明さんは大手メディアの番組から追い出されてしまい、日本の大手マスコミで彼の主張をまともに取り上げるところは無くなりました。しかし、海外メディアはしっかりと耳を傾けています。

 イギリス:ガーディアンの2015年4月16日付記事のリンクを以下に貼ります。( )内は私の日本語訳です。

「Japanese media facing political pressure, says Abe critic」(日本のメディアは政治家の圧力に晒されている:安倍の批判者語る)
「Ruling party summons media bosses over news shows, reigniting concerns over government intrusion in editorial content」(政権党がメディア幹部を呼びつけ報道内容について聴取。政府の報道規制に対する懸念が再燃)


 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「A leading Japanese political commentator has accused the government of applying pressure on the media to tone down criticism of the prime minister, Shinzo Abe, after the ruling party summoned broadcasters for questioning about their news shows.」
(安倍政権への批判をメディアが抑えるように政府側が圧力をかけていると、著名な日本の政治評論家が告発した。その会見前、政権党である自民党は報道関係者を呼びつけ、放送内容について問い質していた。)

「Shigeaki Koga, a former trade ministry bureaucrat, claims producers sacked him as a pundit on Hodo Station, a popular evening news programme, under pressure from government officials who were angered by his criticism of the Abe administration.」
(元通産官僚の古賀茂明さんは、夜の人気ニュース番組である報道ステーションでコメンテーターをしていたが、製作者に降板させられたと言った。安倍政権への批判に怒った政府担当者から圧力がかかったのでは、と彼は考えている。)

「A Liberal Democratic party panel is to question the show’s broadcaster, TV Asahi, on Friday over Koga’s claims. His unscripted remarks, made during his final appearance last month, were challenged by the host, Ichiro Furutachi, who denied channel officials had wielded the axe.」
(自民党の委員会は金曜日、古賀氏の番組での主張についてテレビ朝日に質問する予定だ。先月、報道ステーション最終出演の時、古賀氏は台本に無いことを発言し司会者の古舘伊知郎に咎められた。古舘氏は、テレビ朝日幹部が古賀氏を降板させたのではないと言っている。)

「Critics say Friday’s meeting is part of a worrying trend that has seen Abe and other LDP officials openly interfere in editorial decisions. “What’s happening in Japan is that the media are avoiding confrontations with the government because of the pressure it applies, instead of putting up a fight,” Koga said.」
(安倍総理と他の自民党幹部は最近、番組の編集に対して露骨に干渉しているが、金曜日の会合はその懸念すべき動きの一つだと評論家達は言っている。古賀氏は言う。「メディアは、圧力を掛けてくる政府と戦うのではなく対立を避けてしまっている。これが今の日本の現実だ。」)

「Koga and other journalists turned on fellow reporters in February, accusing them of going soft in their coverage of Abe after two Japanese hostages were beheaded by Isis.」
(古賀氏と他のジャーナリスト達が2月に次のような批判を行っている。「二人の日本人人質がISISにより首を切り落とされて以降、日本のメディアは安倍総理の報道に手心を加えている。」)

「The LDP asked media organisations to “show fairness” in their coverage of last December’s general election, an unprecedented move critics believe carried an implied threat to broadcasters who did not comply.」
(昨年12月の総選挙報道は公平に行うように自民党はメディアへ注文した。これは前代未聞のことであり、言うことを聞かない報道機関に対する脅しとも受け取れる、と識者たちは言った。)

「Koga said the LDP had not explicitly demanded favourable coverage during the election: instead, TV networks were being threatened implicitly because the government has the power to grant, and revoke, their broadcasting licences.」
(古賀氏によると、選挙期間中は好意的な報道をするように自民党から露骨な要求は無かったという。しかし、政府は放送免許の交付・はく奪権限を持っており、テレビ局に対して間接的な方法で脅しを掛けていた。)

「“Years ago, producers would have probably ripped up a letter like that and thrown it in the bin, but in this case they copied it and sent it to their news departments,” he said. “The Japanese media are reaching crisis point because if this pressure and their own tendency to exercise self restraint when confronted with that pressure.”」
(多分何年か前だったら、番組プロデューサーたちはこんな要求文書は破り捨てていただろう。しかし今回のケースでは、自民党の要求文書をコピーし報道部門に送ってしまったのだ。こんな圧力を受けたぐらいで自己検閲をしてしまうようでは、日本メディアの危機だ。これは古賀氏の弁である。)

「Senior LDP figures have denied putting pressure on Asahi TV to sack Koga, a respected commentator who had made numerous appearances on Hodo Station.」
(自民党の幹部たちは、「古賀氏を番組から降板させるためにテレビ朝日へ圧力をかけたことはない」、と言っている。古賀氏は立派な評論家であり、報道ステーションに多数出演してきた。)

「It is not the first time that Abe has been embroiled in controversy over broadcasters’ editorial independence. In 2005, he admitted he had urged NHK staff to alter the contents of a documentary about wartime sex slaves.」
(安倍総理が報道機関の独立性を脅かし物議を醸したのは今回が初めてではない。2005年、戦時中の性奴隷のドキュメンタリーについて内容を差し替えるようNHKに要求したと安倍氏は認めている。)


以上

【日本だけじゃない!】福島原発事故による健康被害を隠ぺいするメディア:アメリカ編

健康問題ないと言う安倍総理

 福島原発事故による健康被害情報に関しては、日本政府・官僚・電力会社・メーカー・御用学者・御用マスコミによる隠ぺい工作が功を奏し、実態が良く判らない状態になっています。原発マフィアたちが巣食う利権はとても大きなものであることが解ります。

 このような隠ぺい工作は日本特有のものではありません。日本以上に原発マフィアの力が強大なアメリカでも、福島原発事故による被害状況はまともに報道されていません。この問題を報じている記事を見つけましたので紹介いたします。

 naturalnewsというサイトの2015年4月14日付記事のリンクを以下に貼ります。

「Conspiracy between media and government to cover up severity of Fukushima's meltdown and radiation validated by study」(福島原発事故の深刻さを隠蔽するため報道機関と政府が結託していることが研究で明らかになった。)

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Just how bad was the radiation fallout from the near-complete destruction of three nuclear reactors at the Fukushima power station following a massive earthquake-generated tsunami in March 2011? The answer is, most people simply don't know - because the media coverage of the damage and fallout, at the time of the accident and in the four years since, has been grossly inadequate, according to a new study.」
(2011年の大地震・大津波の後、福島原発で3つの原子炉が大破したが、放出された放射性物質はどの位なのだろうか?ほとんどの人はその質問に答えることができない。なぜなら、事故から4年の間、被害状況の報道が極めて不適切だったからだ。このことが最新の研究で明らかになった。)

「As noted by American University sociology Prof. Celine Marie Pascale, there has especially been a dearth of U.S. media coverage, the disaster long disappearing from the headlines of domestic newspapers and cable news networks, despite the fact that the crippled plant dumps three hundred tons of radioactive water into the ocean daily, and the region surrounding the plant remains uninhabitable - probably forever.」
(アメリカの大学で社会学の教授をしているCeline Marie Pascaleが論文で書いているように、アメリカのメディアが報道していないことが大きな原因である。アメリカ国内の新聞やケーブルニュースネットワークの見出しに原発事故の文字が見られなくなって久しい。実際には、壊滅した福島原発からは毎日300トンの汚染水が海に流れ込んでおり、周辺地域は恐らく永遠に居住不可能な状態なのである。)

「Further, her new analysis found that U.S. news media coverage of Fukushima "largely minimized health risks to the general population," says a press release from the university.」
(アメリカのニュースメディアが福島原発事故を報道する時、日本国民の健康リスクを過小評価していることが、彼女が公表した最新分析で明らかになった。)

「Pascale analyzed more than 2,000 news articles from four major U.S. outlets following the disaster's occurrence March 11, 2011 through the second anniversary on March 11, 2013. Only 6 percent of the coverage - 129 articles - focused on health risks to the public in Japan or elsewhere. Human risks were framed, instead, in terms of workers in the disabled nuclear plant.」
(アメリカの4大報道機関が出した2000以上の記事をPascaleは分析した。これらは、2011年3月の原発事故発生から2年の間に発行されたものである。日本国民他の健康リスクに焦点を当てていたのは、全体の6%:129記事だけであった。健康へのリスクは、事故原発で働く作業員だけに限定して論じられていた。)

「"We see articles in prestigious news outlets claiming that radioactivity from cosmic rays and rocks is more dangerous than the radiation emanating from the collapsing Fukushima Daiichi nuclear plant," she added.」
(崩壊した福島第一原発よりも宇宙線や岩石から出る放射能の方が危険だ、という主張を高級紙が繰り広げていますね、と彼女は付け加えた。)

「The sociology prof examined news articles, editorials and letters from two major U.S. papers - The New York Times and The Washington Post - and two additional, prominent online news sites - Politico and The Huffington Post. The four outlets are not only among the largest, most influential in the U.S., they are also the most-cited by television news and talk shows, as well as other newspapers and blogs. Also, they are talked up in social media often, says Pascale. So, in that sense, she says, seeing how risk is presented in national prominent media can provide data on how the issue is framed nationally, in public conversations.」
(その社会学者が調べたのは、ニュース記事・社説・手紙である。情報源は、アメリカ2大紙であるニューヨークタイムズとワシントンポスト、そして、影響力が大きいオンラインニュースサイトのPolitico とThe Huffington Postを活用した。それら4つの報道機関は規模や影響力がトップレベルというだけでなく、テレビ・トークショウ・他新聞やブログでの引用頻度も高い。また、ソーシャルメディアで話題になることも多い。つまり、影響力のあるメディアで健康リスクがどのように表現されているか調べれば、アメリカ国民の問題意識が解るのです。以上は、Pascaleの意見だ。)

「Pascale's analysis identified three primary ways in which the news outlets minimized the risk posed by radioactive contamination to the general population. Articles made comparisons to mundane, low-level forms of radiation; defined the risks as unknowable, given the lack of long-term studies; and largely excluded concerns expressed by experts and residents who challenged the dominant narrative.」
(放射能汚染による健康被害を過小評価するためにニュースメディアが用いている方法は主に3種類あるということをPascaleは突き止めた。通常の低レベル放射線と比較する。長期間の研究結果が無い為、健康リスクは不明だと結論付ける。そして、常識に疑問を持つ専門家や住民の声をほとんど排除してしまう。この3つだ。)

「The results, she says, demonstrates that corporations and government agencies provided disproportionate information and data regarding the impact of the disaster - on the environment, the long-term effects of massive radiation contamination (which are well-known), the oceanic ecosystems, the migration of the radiation globally, and on the exposed human populations.」
(企業や政府機関は、福島原発事故の影響に関して実態と異なる情報やデータを提供してきたということを、彼女の研究結果は示している。自然環境、大規模な放射能汚染による長期的影響、海洋生態系、放射性物質の地球規模の移動、被爆した人々など、被害事実が歪曲・隠ぺいされた分野は数多い。)

「"Even years after the disaster," the university press release said, "government and corporate spokespersons constituted the majority of voices published. News accounts about local impact - for example, parents organizing to protect their children from radiation in school lunches - were also scarce."」
(福島原発事故から何年も経っているのに、世の中の意見の大部分は政府と企業の立場が反映されている。例えば、放射性物質にまみれた学校給食を子供に食べさせまいと運動している親たちが地方にいるが、そういった事実の報道が全く不十分だ。)

「The professor believes her findings reveal the need for the general public to be much more critical consumers of news. She notes that expert knowledge can be employed to generate misinformation, propaganda and uncertainty, especially in information vacuums created after disasters.」
(国民は報道内容をもっと批判的に受け止める必要がある、ということが彼女の研究から判る。福島原発事故後の情報空白や、誤報・政治的扇動・不明確さなどを生み出すために悪知恵が使われている可能性がある、というのが彼女の見解だ。)

「"The mainstream media - in print and online - did little to report on health risks to the general population or to challenge the narratives of public officials and their experts," Pascale said.」
(紙媒体であれオンラインであれ主流メディアは、国民の健康リスクについて殆ど報道していない。政府や識者の意見を監視・批判するという仕事を疎かにしている。)

「"How knowledge about disasters is reported can have more to do with relations of power than it does with the material consequences to people's lives," she concluded.」
(報道内容は、人々の生活・命が受けた被害を反映しておらず、権力者の意向に左右されている。これが彼女の結論だ。)


以上

外国の人だって汚染されたものは食べたくありません:海外メディアRTの記事紹介

線量計での食品検査
写真(線量計による食品検査) 出典:Reuters/Lee Jae-Won

 2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、日本からの食料品輸入について諸外国・地域が規制をしています。当たり前のことです。国の数や食料品の種類はとても多いので、詳しくは農林水産省の下記リンクをご覧ください。

2015年3月3日現在での諸外国・地域の規制一覧表

 諸外国の人たちは日本に対して嫌がらせをするために輸入規制をしている訳ではありません。チェルノブイリ原発事故など過去の事例・知見・データを基に科学的・合理的判断をしているに過ぎません。放射性物質に汚染された食料を自国の国民に食べさせる訳にはいかないのです。

 最近、台湾へ輸出された日本製食料の中に産地偽装が見つかり、台湾当局は更なる規制の強化をすることに決めました。例えば騙されてチェルノブイリ産の食糧を食べさせられたら誰でも怒りますし、相手を信用しなくなります。日本人は余り自覚が無いかもしれませんが、台湾の人に対してひどいことをしてしまったんですね。台湾当局の規制強化は当然です。

 しかし、日本人の中には反省するどころか台湾の決定に文句を言っている人がいます。

菅官房長官-台湾へのコメント

 つまり、「つべこべ言わずに食え!」、ということです。傲慢ですし、相手を馬鹿にした発言です。同じく輸入規制しているアメリカに対しても、同様の発言をするのでしょうか?

 諸外国は日本の復興を願っていると思いますが、放射性物質で汚染されたものを食べるという方法で応援したいとは思っていません。食べ物の安全性を気にするのは当たり前のことです。

 日本から輸入されてくる食料の安全性を心配している海外メディアの記事を一つ紹介します。RTの2015年4月14日付記事のリンクを以下に貼ります。( )内は私の日本語訳です。

「Radioactive Fukushima food could be hitting UK shops through safety loopholes」(安全規制に抜け穴がある為、福島産の汚染食料がイギリスで販売されている可能性がある。)

 上記の英文記事から一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Food produced near the site of the Fukushima nuclear disaster in Japan could be heading to British supermarkets due to loopholes in safety laws, an investigation has revealed.」
(食料の安全性に関するイギリスの法律には抜け穴がある為、事故が起きた福島原発近くで作られた食料がスーパーマーケットで売られている可能性があることが、調査で明らかになった。)

「Security experts warned the UK’s food import regulations are not strong enough to prevent products contaminated with radiation from entering the country.」
(イギリスの食糧輸入規制は甘い為、放射性物質で汚染された食料が輸入されるのを防ぐことができていないと安全の専門家は警告している。)

「Contaminated products such as tea, noodles and chocolate bars have already been exported from Japan by fraudsters using false labels.」
(日本の悪徳業者が偽装表示をしているため、お茶・麺・板チョコなどの汚染食料が既に輸入されてしまっている。)

「The report follows revelations in Taiwan last month that more than 100 contaminated products from Fukushima were being sold in stores under false labels.」
(その報道は台湾で起こった先月の事例も報告している。福島産の汚染食料100品目以上が、産地偽装表示により店で売られていたのだ。)

「According to the China Post, imported soy sauce labeled as ‘Tokyo-made’ was in fact manufactured in prefectures surrounding Fukushima that are subject to export restrictions. The scandal caused public outcry, prompting Taiwanese officials to introduce new import regulations.」
(福島周辺の県は輸出規制の対象となっているが、そこで作られた醤油が東京産と偽造表示されて輸入された、とチャイナポストは報道している。このスキャンダルは大きな批判を呼び、台湾当局は新たな輸入規制導入へ動いた。)

「Food produced in the ‘danger zone’ around Fukushima prefecture must be declared and tested for radiation before being exported and on arrival in the UK.」
(福島県周辺の危険地帯で作られた食料はしっかり識別した上で、イギリスへ輸入する前に放射線測定をしてもらわないと困る。)

「“Although we have adopted one of the world’s most comprehensive and stringent traceability laws, the UK has virtually no control over how foods are processed, manufactured and packaged in Japan.” 」
(イギリスの追跡管理法は世界で最も包括的で厳格なものであるが、食料が日本でどのように加工・製造・梱包されているのか殆ど管理できていない。)


以上

【原子爆弾】過ちを繰り返さない為には被害事実を知ることが大切:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

安倍晋三-核兵器使用違憲でない
出典:サンデー毎日

 1945年、アメリカは原子爆弾を広島と長崎に投下しました。核兵器を虐殺目的で故意に使用した初のケースです。日本の侵略行為とは異なり、日本が被害を受けた事実は歴史の教科書にしっかり書かれています。日本人であれば皆、様々な機会を利用して原爆被害について学ぶことができます。

 広島と長崎では毎年、原爆犠牲者の霊を慰め、惨禍を再び繰り返さないことを誓うために平和祈念式典が行われます。政界で要職に就いている人も参加しています。しかし中には、同じ過ちを繰り返さないという気持ちに乏しい人もいるみたいです。

【問題発言】驚愕!安倍首相が過去に「核兵器の使用は違憲ではない」と発言していた!核兵器を使う気満々?

 アメリカ様のご機嫌取りに忙しく、被爆者に寄り添う気持ちが足りないのでしょうか?こういう人に対して貴重な情報を提供しても、馬の耳に念仏、猫に小判でしょう。

 さて、海外からは原爆被害がどのように見えているか、一つの例を挙げます。IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が関連記事を書いています。以下にリンクを貼ります。

http://www.ippnw-students.org/Japan/Hiroshima.pdf

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「During World War II, the U.S. produced three nuclear bombs. After the successful Trinity Test on July 16,1945, the U.S. detonated the remaining two bombs over Japanese cities. A uranium bomb called “Little Boy,” was dropped on Hiroshima on August 6, 1945, a plutonium bomb called “Fat Man,” on Nagasaki on August 9.」
(第二次世界大戦中、アメリカは原爆を3個製造した。1945年7月16日にトリニティ原爆実験に成功した後、残りの二つは日本の都市上空で爆発させた。リトルボーイと名付けられたウラン型原爆は1945年8月6日に広島へ投下、ファットマンと呼ばれるプルトニウム型原爆は8月9日に長崎へ投下された。)

「In Hiroshima, the T-shaped Aioi Bridge, in a populated commercial and residential area, was selected as the target. The bomb detonated at an altitude of 580 m with an explosive force equivalent to about 15,000 tons of TNT.」
(広島市内にあるT字型の相生橋が原爆投下の目標地点として選ばれた。そこは人口が密集した商業地区・住宅街であった。原爆は高度580mで炸裂し、その威力はTNT火薬に換算して約15000トン分に匹敵した。)

原爆投下後の広島
写真(原爆投下後の広島の状況)出典:U.S. Government / public domain

「The nuclear detonation released enormous amounts of energy, roughly 50 % of which was blast energy. The pressure wave caused by the explosion demolished almost all buildings within a 2 km radius around the hypocenter, including the major hospitals. Ear-drums and lungs burst even at a distance of several kilometers, while the wind reached velocities comparable to large hurricanes and parts of buildings. Vehicles and dead bodies hurtled as deadly projectiles through the ravaged streets.」
(核爆発により膨大なエネルギーが放出されたが、その内の約半分は運動エネルギーだ。爆心地から半径2km以内にある殆どの建物は圧力波でなぎ倒された。その中には主要な病院も含まれる。爆風は巨大ハリケーンに匹敵する速度に達し、数キロ離れたところに居ても鼓膜や肺が破裂してしまった。建物の一部・車・死体などが道中で飛ばされ凶器と化した。)

「About 35 % of the energy was released in the form of heat and led to a giant fire storm, which quickly engulfed the entire inner city. Most buildings within a radius of two kilometers fell victim to the flames. With temperatures of up to 3,000–4,000 °C around the hypocenter, all living things burned to ashes and only “nuclear shadows” remained on the pavement. Uncovered skin burned within a radius of 3.5 km. People hiding in bunkers or cellars died from carbon monoxide poisoning or suffocation. The remaining 15 % of the total energy was released in form of radioactivity.」
(放出されたエネルギーのうち約35%は熱であり、巨大な火嵐により市内のほとんどが即座に炎に包まれた。爆心地から半径2km以内の建物は殆ど焼失した。爆心地近くの温度は最大で3000〜4000℃にもなったため、全ての生き物は灰と化し、歩道に残ったのは蒸発時に出来た影だけであった。半径3.5km以内では露出した皮膚は火傷を負った。防空壕や地下室に隠れていた人たちは、一酸化炭素中毒や窒息により死亡した。原爆で放出された総エネルギーのうち、残り15%が放射線だ。)

原爆の被害者(広島)
写真(広島の原爆被害者) 出典:U.S. National Archives and Records Administration

「From a total of 298 medical doctors, only 28 survived the nuclear explosion. Together with about 130 nurses and 28 pharmacists, they were the only ones able to provide first aid to the survivors.」
(広島市内には全部で298人の医者がいたが、生き残ったのは28名のみであった。他に看護師約130名と薬剤師28名が生き残った。けが人に応急手当てを施せるのは彼らだけであった。)

「Most of the deaths in the first two weeks occurred due to burns, external injuries and acute radiation exposure. From the third to the eighth week, people exposed to more than 3 Sievert (Sv) of radiation died from organ failure, bloody diarrhea and vomiting or bone marrow depression with anemia, immunodeficiency and bleedings.」
(最初の2週間で亡くなった人達のほとんどは、火傷・外傷・急性放射線被爆が原因であった。第3週から8週にかけては、3シーベルト以上被爆した人達が死亡した。症状は、臓器不全・出血性下痢・嘔吐・貧血性骨髄抑制・免疫不全・出血である。)

「According to conservative estimates, at least 45,000 people died on the first day after the bombing. By the end of 1945, this number had risen to about 140,000. The exact number of casualties will never be known, however, because it is not known how many people were staying in the city during the final days of the war. Also, documents were lost in the flames; whole families perished, leaving no one to account for missing relatives; and the entire social system collapsed after the nuclear bombing, further complicating mortality assessments.」
(控えめな推定によると、少なくとも45000人が原爆当日に死んだ。1945年末までに、死者数は約14万人まで増えた。しかしながら、正確な死者数を知ることはできない。終戦時の広島市内の居住者数が判らないからだ。資料類も消失してしまった。親族が全滅して行方不明者を確認する者がいない。原爆により社会システム全体が崩壊し、それが死亡者の確認をより困難にした。)

「The first long-term effects of external radiation to be observed were keloid scars and cataracts. Starting in 1947, a non-linear increase of leukemia was noted. Leukemia incidence peaked in the first half of the 1950s and gradually declined after that. The relative risk of leukemia is presumed to be about 16 times higher for people who received 2–3 Sv of radiation as compared to the general population. Until today, leukemia incidence in Hiroshima is slightly higher than in the rest of Japan.」
(外部被爆による長期的症状として最初に見られたのは、ケロイドと白内障だ。1947年以降、白血病の増加傾向は直線的ではなかった。白血病発生数は1950年代の前半にピークとなり、その後は漸減した。2〜3シーベルトの放射線を浴びると白血病のリスクが16倍以上になると思われる。今日に至るまで、広島県の白血病発生率は他県と比べてわずかに高い。)

「On the other hand, the incidence of solid tumors is continually increasing as survivors are getting older, as is the incidence of myelodysplastic syndrome. While at first mainly thyroid cancer showed a rising incidence, cancers of the breast, stomach, large intestines, skin, liver, gallbladder, ovary and urinary bladder soon followed. The epidemiological Life Span Study (LSS), begun in 1950, showed that the incidence of cancer was proportional to the radiation exposure dose. Also, the incidence of cancer was higher in people exposed at younger age.」
(その一方で、被爆者たちが年を重ねるに連れて、固形腫瘍の発生率は持続的に増加している。骨髄異形成症候群もしかりだ。最初に急激な増加を見せたのは主に甲状腺癌だったが、乳癌・胃癌・大腸癌・皮膚癌・肝臓癌・胆嚢癌・卵巣癌・膀胱癌が後に発生するようになった。疫学的な寿命調査が1950年に始まったが、それによると、癌の発生率は被ばく線量に比例することが判っている。また、若年時に被爆した人の方が癌の発生率が高くなっている。)

「Besides cancer, other diseases with higher incidence in the survivors cohort were benign tumors, endocrine disorders, hypertension and stroke, as well as heart and liver disease. Since the frequency of chromosomal aberrations was shown to increase with radiation dose, it can be used as a “biological dosimeter.” In case of intrauterine exposure, increases in microcephaly and mental retardation were noticed in offspring of survivors.」
(被爆者の間で発生率が高い病気は癌以外では、良性腫瘍・内分泌障害・高血圧と脳卒中、そして心臓と肝臓の疾患だ。染色体異常の発生率は被爆量が多いほど増えるため、生物学的線量計としての役割を果たす。子宮内が被爆した場合、生まれて来る子供に小頭症と精神遅滞が増えることが判った。)

「The Japanese term for the survivors of the nuclear bombings is “Hibakusha.” Most of the Hibakusha still alive today were exposed to radiation at a very early age so that detrimental long-term effects and increased morbidity rates can still be expected to occur in this population. ・・・Finally, some Hibakusha groups are accusing the government of covering up the health effects of radiation on future generations for political reasons.」
(原爆の被害者のことを日本語では被爆者という。今日生存している被爆者のほとんどは幼少期に放射線を浴びたため、長期的な悪影響や疾病率増加が予想される。(中略) 被爆が将来世代にどういう影響を与えるか、政府は政治的な理由により隠ぺいしていると弾叫している被爆者グループも存在する。)


以上

チェルノブイリ原発事故による健康被害を直視せよ:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の論文紹介

ふたば未来学園高校+小泉
写真(ふたば未来学園高校の新入生たちを激励する小泉政務官)

 2011年に日本の福島県で世界最悪の原子力発電所事故が起きました。事故は収束しておらず、放射性物質の環境中への放出は続いています。広大なエリアが居住不可能になったにも関わらず、まるで原発事故自体が無かったような動きが見られるのには驚かされます。

【食べて応援】福島原発の約20キロ付近に大規模なトマト工場建設へ!福島県いわき市ではコウナゴが初水揚げ!東京・築地を中心に出荷!

【近すぎ】福島第一原発の30キロ圏内でふたば未来学園高が開校!小泉進次郎氏やAKBの秋元康氏らが参加!政府も全力支援へ!

 仮に、「チェルノブイリを食べて応援しよう」などというフレーズをウクライナ人が口にしたら、ほとんどの日本人は「気でも狂ったか!?」と思うでしょう。「福島を食べて応援」は、それと同じことなのです。

 こういった上辺だけの復興演出を考え出すのは原発マフィアたちです。彼らは原発利権にしがみつくのに必死ですから付ける薬がありません。しかし、このような動きに簡単に騙され利用されてしまう人達にも問題があります。

 どうして騙されてしまうのでしょうか?放射性物質が人体に有害だということを知らないのでしょうか?人間の五感で感じられなければ心配ないと思っているのでしょうか?これから5年、10年経過して自分の体の異変に気付いても手遅れです。早めに気付く必要があります。

 こういう時は、過去の類似事故の情報を調べるのが一番手っ取り早く確実です。チェルノブイリ原発事故が起きた1986年から25年が経過した2011年、IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が健康への影響に関して論文を出しています。以下にリンクを貼ります。

Health Effects of Chernobyl 25 years after the reactor catastrophe

 IPPNW:核戦争防止国際医師会議は、IAEA(= International Atomic Energy Agency:国際原子力機関)やWHO(= World Health Organization:世界保健機関)などの原発利権団体と距離を置いています。まあまあ、信頼できるのではないかと私は判断しています。

 上記リンク英文資料は合計65ページです。P5〜P7に、健康への影響が列挙されているので、その一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Numerous research findings showing chromosome aberrations in the children of liquidators and mothers who were not exposed to radiation are available in the research centres of all three affected republics (Moscow, Minsk, Kiev).」
(放射線に晒されていない母親と原発事故作業者の父親との間に生まれた子供に染色体異常が見られることは、多くの研究結果で明らかになっている。これらの研究論文は、被害を受けたモスクワ・ミンスク・キエフの3か所にある研究センターで入手可能だ。)

「It was found that the incidence of non-cancerous disease had increased; mainly cardiovascular and stomach diseases, and cases of neurological-psychiatric illness were found to be a somatic effect of low-level radiation. The latter was observed mainly during research on liquidators and their children.」
(癌とは異なる病気の発生率が増加したことが判っている。循環器系と胃の病気が主だが、肉体が低レベル放射線に晒されて神経性疾患や精神病が発生していることも判っている。神経性疾患や精神病は主に、原発作業者とその子供を対象にした研究で明らかになった。)

「According to figures given by the Russian authorities, more than 90% of the liquidators have become invalids; i.e. at least 740,000 severely ill liquidators. They are aging prematurely, and a higher than average number have developed various forms of cancer, leukaemia, somatic and neurological psychiatric illnesses. A very large number have cataracts. Due to long latency periods, a significant increase in cancers is to be expected in the coming years.」
(ロシア当局が発表した数字によると、原発作業者の90%以上が病弱になったという。少なくとも74万人の原発作業者が重度の病気になっている。彼らは老化が早く進み、様々な癌・白血病、さらには肉体的・神経的・精神的な病を患う人の数が平均よりも高いのだ。非常に多くの人が白内障になっている。発病までの潜伏期間が長いので、後年、癌の発生率が顕著に増加することが予想される。)

「Independent studies estimate that 112,000 to 125,000 liquidators will have died by 2005.」
(独自に行われた調査では、112000〜125000人の原発作業者が2005年までに亡くなったと推計している。)

「Available studies estimated the number of fatalities amongst infants as a result of Chernobyl to be about 5000.」
(入手可能な調査結果によると、チェルノブイリ原発事故が原因の乳児死亡数は約5000人だと推定している。)

「Genetic and teratogenic damage (malformations) have also risen significantly not only in the three directly affected countries but also in many European countries. In Bavaria alone, between 1000 and 3000 additional birth deformities have been found since Chernobyl. We fear that in Europe more than 10,000 severe abnormalities could have been radiation induced. The estimated figure of unreported cases is high, given that even the IAEA came to the conclusion that there were between 100,000 and 200,000 abortions in Western Europe because of the Chernobyl catastrophe.」
(チェルノブイリ事故の影響を直接受けた3国だけでなく、多くのヨーロッパ諸国でも遺伝的催奇形障害が顕著に増加している。バイエルンだけでも出産時奇形が1000〜3000事例増えたことが判っている。放射線の影響で、ヨーロッパでは1万人以上の重度奇形児が生まれている可能性がある。報告されていない奇形児の数も多いと思われる。チェルノブイリ原発事故のせいで西ヨーロッパでは10万〜20万の中絶が行われたという結論を、原発利権まみれの国際原子力機関=IAEAが出しているのだ。)

「According to UNSCEAR between 12,000 and 83,000 children were born with congenital deformations in the region of Chernobyl, and around 30,000 to 207,000 genetically damaged children worldwide. Only 10% of the overall expected damage can be seen in the first generation.」
(原子放射線の影響に関する国連科学委員会=UNSCEARによると、チェルノブイリ地域では12000〜83000人の子供が先天的奇形であり、遺伝子が損傷を受けている子供は世界中に30000〜207000人いるという。これらの数値は第一世代で発現したものに過ぎず、世代を重ねれば最終的には、この10倍の異常数が発生すると予測されている。)

「In the aftermath of Chernobyl not only was there an increase in the incidence of stillbirths and malformations in Europe, but there was also a shift in the ratio of male and female embryos. Significantly fewer girls were born after 1986. A paper by Kristina Voigt, Hagen Scherb also showed that after 1968, in the aftermath of Chernobyl, around 800,000 fewer children were born in Europe than one might have expected. Scherb estimated that, as the paper did not cover all countries, the overall number of “missing” children after Chernobyl could be about one million. Similar effects were also observed following above-ground nuclear weapons tests.」
(チェルノブイリ原発事故後、ヨーロッパでは死産や奇形の比率が高まっただけでなく、胎児の男女比にも変化が生じてしまった。1986年の原発事故以降、誕生する女児の数が大幅に減った。Kristina VoigtとHagen Scherbの論文でも、ヨーロッパでは原発事故発生により出生数が約80万人減少したことが示されている。この論文は全ての国を網羅できていないことを考慮すると、チェルノブイリ原発事故で失われた子供の総数は約100万人に達するだろうとScherbは推計している。大気中の核兵器実験でも類似の影響が確認されている。)

「On the basis of observed cases of thyroid cancer in Belarus and Ukraine, Malko (2007) calculated the number of future cases that might be expected, and then added the radiation factor. He arrived at the figure of 92,627 cases of thyroid cancer between 1986 and 2056. This calculation does not include cases of thyroid cancer among liquidators.」
(ベラルーシとウクライナで確認された甲状腺癌事例を基に、Malkoは2007年、放射線要因を加味した上で将来の発生数を計算した。その結果、1986年から2056年の間に甲状腺癌が92627件発生するということが判った。この計算結果には、原発作業者たちの間で発生した甲状腺癌は含まれていない。)

チェルノブイリ原発位置
チェルノブイリ原発の位置

「In Germany, scientists found a significant increase in trisomy 21 in newly-born children in the nine months following Chernobyl. This trend was especially marked in West Berlin and South Germany.」
(ドイツでは、チェルノブイリ原発事故以降の9か月間に生まれた子供のダウン症発生確率が劇的に増加したことを科学者たちが発見した。)

「Orlov and Shaversky reported on a series of 188 brain tumours amongst children under three in Ukraine. Before Chernobyl (1981 to 1985) 9 cases were counted, not even two a year. In the period 1986-2002 the number rose to 179 children diagnosed with brain tumours – more than ten per year.」
(ウクライナの3歳以下の子供に発生した脳腫瘍188件について、Orlov と Shaverskyは報告書にまとめている。チェルノブイリ原発事故以前の1981年から1985年では脳腫瘍が9件発生しているが、これは年間2件にも満たない。1986年〜2002年では、脳腫瘍と診断された子供が179人に増えている。年間にすると10件以上だ。)

「In the more contaminated areas of South Germany a significant cluster of a very rare type of tumour was found in children, so.called neuroblastoma.」
(より汚染度がひどいドイツ南部では、神経芽細胞腫という極めて稀な小児癌が激増した。)

「A paper published by the Chernobyl Ministry in Ukraine registered a multiplication of the cases of disease of the endocrine system (25-fold from 1987 to 1992), the nervous system (6-fold), the circulatory system (44-fold), the digestive organs (60-fold), the cutaneous and subcutaneous tissue (50 times higher), the muscular-skeletal system and psychological dysfunctions (53-fold). The number of healthy people among evacuees sank from 1987 to 1996 from 59 % to 18%. Among the population of the contaminated areas from 52% to 21% and –particularly dramatic - among the children who were not directly affected themselves by Chernobyl fallout but their parents were exposed to high levels of radiation, the numbers of healthy children sank from 81% to 30% in 1996.」
(ウクライナのチェルノブイリ省が発表した論文には、1987年から1992年までの疾病増加率が明記されている。内分泌系は25倍、神経系は6倍、循環器系が44倍、消化器官が60倍、皮膚・皮下組織が50倍以上、筋肉・骨・心因性機能障害が53倍だ。避難者の中で健康な人の割合は、1987年は59%だったが1996年には18%へ減った。汚染地域に住んでいる人たちを見ると、健康体は52%(1987年)から21%(1996年)へ減少している。もっと驚くべきことがある。親が高い放射線に晒された後に生まれて来た子供たちを見ると、健康体の比率は1987年の81%から1996年の30%へ激減しているのだ。)

「It has been reported for several years that type I diabetes (insulin-dependent diabetes mellitus) has risen sharply amongst children and adolescents.」
(インスリン依存型の1型糖尿病が児童・思春期生徒の間で激増していることが、何年間も報告されている。)

「Non-cancerous diseases greatly outnumber the more spectacular cases of leukaemia and cancer.」
(癌ではない病気が、白血病や癌といった典型事例を数の上で遥かに凌いでいるのだ。)


以上

巨大な放射性廃棄物に苦しむアメリカ:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

ハンフォード核施設
写真(ハンフォード核処理施設) 出典:米国エネルギー省

 ハンフォードという名の核処理施設はアメリカのワシントン州東南部に位置します。1518平方キロメートルに及ぶ広大な敷地内にプルトニウム処理施設や原子力発電所など様々な建物が立ち並ぶ複合施設です。

ハンフォード核施設他の地図
地図の出典:ブログ「大川原有重 春夏秋冬」

 第二次世界大戦中にここで作られたプルトニウムがロスアラモス研究所に供給され原爆が製造されました。その内の一つはファットマンと呼ばれ日本の長崎に投下されました。冷戦時代もアメリカの核兵器製造のために大量のプルトニウムを製造しました。

 長年の活動により大量の放射性廃棄物が施設内に溜まってしまい、その量は全米の6割を占めると言われています。また、周辺地域への放射性物質漏出もひどく、環境汚染や住民への健康被害も深刻です。この施設は現在、除染や後始末に追われており、多額の税金が毎年費やされています。老朽化した原発の廃炉も含めて終わりなき戦いが続いているのです。

 IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が、関連記事を書いています。以下にリンクを貼ります。

http://www.ippnw-students.org/Japan/Hanford.pdf

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「The Hanford Site was built in the 1940s to produce plutonium for the U.S. nuclear weapons program. Located near the city of Richland in Washington State, the compound stretches over an area of more than 150,000 hectares and consists of more than 500 buildings, including nine nuclear reactors.」
(アメリカの核兵器開発に必要なプルトニウムを生産するため、ハンフォードサイトは1940年代に建設された。ワシントン州のリッチランド市近くにあるその複合施設は、15万ヘクタール以上の敷地を擁する。9つの原子力発電所を含め、500以上の建物から成る。)

「Hanford supplied the material for the Trinity Test, the world’s first nuclear detonation, in July of 1945. It also provided the plutonium for “Fat Man,” the bomb which destroyed Nagasaki one month later. In the following four decades, the Hanford Nuclear Site produced more than 67 metric tons of plutonium for the U.S. nuclear arsenal.」
(1945年の7月に行われた世界初の原爆実験はトリニティと呼ばれているが、そのための原料はハンフォードが供給した。実験の一か月後に長崎市を破壊した原爆:ファットマン用のプルトニウムもハンフォード製だ。その後40年に渡り、ハンフォード核施設は67トン以上のプルトニウムを核兵器のために製造した。)

「In 1986, the U.S. Department of Energy, in response to public pressure and a request under the Freedom of Information Act, released 19,000 pages of previously classified documents that revealed, among other things, that radioactive releases from Hanford had contaminated air, groundwater, soil and the Columbia River. Fallout had spread more than 200 radioactive isotopes over Oregon, Idaho, California, Montana and Canada.」
(1986年、情報公開法に基づく国民からの要請に応え、以前は秘密指定されていた19000ページの資料を米国エネルギー省は公表した。その結果明らかになった事実の一つは、ハンフォード施設が原因で大気・地下水・土壌・コロンビア川が放射能汚染されたということだ。200種類以上の放射性同位体が微粒子としてまき散らされたが、その範囲はオレゴン州・アイダホ州・カリフォルニア州・モンタナ州、そしてカナダにまで及ぶ。)

「In December 1949, Hanford scientists had deliberately released between 259 and 444 Tera-Becquerel (1 TBq = 1 trillion Becquerel) of radioactive iodine- 131 in order to test monitoring equipment for radiation doses. The amount of iodine-131 released in these “experiments” was 350 to 600 times more than the total amount released during the Three Mile Island nuclear meltdown (0.74 TBq).」
(1949年12月、259〜444テラベクレルの放射性ヨウ素131をハンフォードの科学者たちは故意に放出した。放射線監視機器をテストするのが目的だった。これらの実験で放出されたヨウ素131は、スリーマイル島原発事故で放出された総量の350〜600倍にも及ぶ。)

「A significant number of children may have developed thyroid cancer due to Hanford nuclear fallout, but no epidemiological studies were ever performed on the affected population.」
(ハンフォードからの放射性物質放出により、かなり多くの子供が甲状腺癌になった可能性がある。しかし、影響を受けた住民に対する疫学的な調査・研究は何も行われていない。)

「Especially affected by radioactive contamination were native peoples living downwind or downriver from Hanford:」
(放射能汚染により特に大きな被害を受けたのは、ハンフォードの風下・川下に住む原住民たちだ。)

「The 7,400,000 TBq of highly radioactive waste stored in Hanford amount to about 60 % of the total U.S. nuclear waste.」
(ハンフォードに保管されている高レベル放射性廃棄物は740万テラベクレルだが、それは全米総量の約6割に当たる。)

「According to the U.S. Department of Energy, more than 200 million liters of radioactive and chemical waste are stored in leaking underground tanks on the Hanford Nuclear Site. Due to leaks and improper disposal, an estimated 3.5 million liters of radioactive effluent have already contaminated the groundwater over an area of more than 123,000 acres.」
(米国エネルギー省によると、ハンフォード核施設の地下に貯蔵されている放射性廃棄物と化学廃棄物は2億リットル以上である。しかし、保管用のタンクから漏出している状態だ。漏出や不適切な廃棄が原因で、推定350万リットルの液状放射性廃棄物が地下水を汚染してしまった。その範囲は、12万3000エーカー以上になる。)

「As radioactively contaminated water was deliberately pumped into the river until 1971, high levels of zinc-65, arsenic-76, phosphorus-32, sodium-24 and neptunium-239 have been found downstream from Hanford.」
(1971年まで放射性汚染水を川へ放流してきたため、高レベルの亜鉛-65、ヒ素-76、リン-32、ナトリウム-24とネプツニウム-239がハンフォード施設の下流で検出されている。)

「Ever since plutonium production in Hanford ended in 1988, the “largest civil works project in the history of mankind” is costing tax-payers more than $2 billion per year and is slated to continue until 2052. An additional safety threat is posed by the aging nuclear power plant at Hanford.」
(ハンフォードでのプルトニウム生産が1988年に終了して以降、人類史上最大の浄化プロジェクトが推進されている。そのために毎年20億ドル以上の税金が投入されており、2052年まで続く予定だ。さらには、ハンフォードの老朽化原発により新たな危険が発生している。)

「Surprisingly little epidemiological research has been done on the population affected by radioactive contamination and the full extent on public health may never be known. The people living around Hanford, especially the socially marginalized natives, are all Hibakusha, as their health has been compromised by the fanatical longing for ever larger and more destructive nuclear arsenals.」
(驚いたことに、放射能汚染に晒された住民に対する疫学的調査がほとんど行われておらず、健康への影響を全て知ることはできないと思われる。無力さを感じている原住民をはじめハンフォード周辺の人達は、みんな被爆者である。もっと大きくて、もっと威力がある核兵器が欲しいという貪欲さのために、彼らの健康が害されてきたのだから。)


以上

原発用ウラン採掘がもたらす悲劇:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

ブラックヒルズウラン鉱山立ち入り禁止
写真(ブラックヒルズのウラン採掘現場立ち入り禁止表示)出典:James Ruddy

 原子力発電所は使い終わった後の後始末が大変です。というよりも、不可能と言った方が良いかもしれません。

絶望的な原発の後始末:ドイツでの事例紹介

 また、原子力発電所は稼働中も厄介な代物です。事故が起これば取り返しがつきませんし、事故が無くても放射性廃棄物を環境中に垂れ流し続けます。

 原発を動かすためにはウランという物質が必要です。ウラン採掘現場とその周辺でも放射線による健康被害が多発しています。

ブラックヒルズ国立森林公園
写真(ブラックヒルズ国立森林公園。ウランを初め天然資源が豊富だ。)出典:Navin75 / creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0

 原子力発電所というのは、最初(原料採掘)から終り(廃棄)まで社会に大迷惑をかけ続ける存在なのです。このような発電手段が他にあるでしょうか?

 IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が、アメリカ国内のウラン採掘場に関して記事を書いています。以下にリンクを貼ります。

http://www.ippnw-students.org/Japan/BlackHills.pdf

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Because of their enormous amount of natural resources, the Black Hills have been extensively mined for centuries.」
(ブラックヒルズは天然資源が豊富なので、世紀をまたいで大量採掘されてきた。)

「Apart from gold mining, which still plays an important role in the region today, the discovery of uranium in the 1950s has had an immense impact on the life of the Lakota. Between 1951 and 1964, the yield of the mines in the region exceeded 680,000 kg of yellowcake, the refined uranium dust needed for nuclear warheads and reactors.」
(金の採掘は今日もその地域で重要だが、1950年代にウラン鉱脈が発見されて以降、アメリカ原住民のラコタ族の生活は大きく翻弄されてきた。1951年から1964年にかけてその地域で生産されたウラン精鉱の総量は68万㎏を超える。ウラン精鉱は核弾頭や原発の原料だ。)

「In the 1980s, environmentalist groups managed to stop uranium mining in the area. Because of regulations and limited efforts to rehabilitate the region, however, the abandoned mines were never properly sealed or protected from leaks and spills.」
(1980年代、環境保護団体がその地域でのウラン採掘を止めさせた。ブラックヒルズ再生のための規制や限定的な動きはあったものの、打ち捨てられた採掘現場から放射性物質が漏出するのを防ぐためにきちんと密閉されることはなかった。)

「According to the environmentalist organization “Defenders of the Black Hills,” there are hundreds of these unsealed mines, as well as thousands of exploration wells and drill holes, some more than 200 m deep, scattered all across the four-state area. Many are filled with water and there is the constant danger of leaks and spills into the surrounding creeks that can potentially contaminate underground aquifers or the larger Cheyenne and Missouri rivers.」
(ブラックヒルズを守る環境保護団体によると、密閉されていないウラン鉱山は何百、探索用井戸やドリル穴は何千とある。井戸や穴は200m以上の深さのものもあり、4つの州にまたがるその地域全体に散在している。多くは水で満たされているが、周囲の小川に廃液が漏出する危険が常にある。漏出すれば、地下水脈やシャイエン川、ミズーリ川を汚染する可能性があるのだ。)

「Field studies in the years 1999–2000 found radiation doses of 40 mSv/h, or about 200–400 times natural background radiation. After the U.S. Geological Survey found elevated concentrations of dissolved uranium in the Arikaree aquifer below the Lakota reservation of Pine Ridge, the local council asked the Agency for Toxic Substances and Disease Registry (ATSDR) to investigate water and air samples. They found increased concentrations of alpha emitters in drinking water supplies as well as unhealthy levels of radon gas in private residences at Pine Ridge.」
(1999年から2000年にかけて行われた現地調査により、自然界の通常放射線レベルの200〜400倍に当たる40 mSv/hが検出された。Pine Ridgeのラコタ保護区下にあるArikaree地下水脈でウラン濃度が上昇していることをアメリカ地質調査所が発見した後、地元委員会がアメリカ毒性物質疾病登録機関に対して水・大気の調査依頼をした。その結果、飲料水のアルファ線レベルが増加している他、Pine Ridge居住区のラドンガス濃度が異常であることが判った。)

「The “Defenders of the Black Hills” also conducted their own investigations in cooperation with Energy Laboratories and detected alpha emitters exceeding recommended dose levels. Drinking this water and ingesting the radioactive particles can cause cancer and other diseases.」
(ブラックヒルズの保護団体はエネルギー研究所と共同で独自調査も実施し、被ばく限度を超えるアルファ線を検出した。汚染された水を飲んだり放射性粒子を経口摂取すると、癌その他の病気になる可能性がある。)

「Within the reservation, an extremely high number of people suffer from cancer, diabetes and kidney failure. High incidences of stillbirths, miscarriages and deformities are also reported among the population of the Black Hills. Beyond the small preliminary air- and water-studies however, no investigations of the evident health problems of Pine Ridge residents have been undertaken so far.」
(保護区ではかなり多くの人が、癌・糖尿病・腎臓障害を患っている。またブラックヒルズでは死産・流産・奇形が高い率で見られる。水や大気の予備的調査は行われたが、Pine Ridge住民の健康問題を明らかにするための調査は未実施だ。)

「In 2011, the Canadian company Powertech announced plans to restart uranium mining in the Black Hills near Edgemont.」
(カナダのPowertech社は2011年、Edgemont近くのブラックヒルズでウラン採掘を再開すると発表した。)

「In addition to the social and economic problems of reservation life, the Lakota suffer from the legacy of four decades of uranium mining. To this day, there has not been an adequate scientific workup of the Lakotas health problems. Therefore, the effects of further radioactive contamination of the region through continued uranium mining cannot even be predicted.」
(アメリカ原住民のラコタ族は、保護区での社会的・経済的問題だけでなく、40年に及ぶウラン採掘が生んだ放射線被害に苦しんでいる。ラコタ族の健康問題に関する適切で科学的な詳細研究は今日まで行われていない。引き続き実施されるウラン採掘によりこの地区の汚染がさらにひどくなるが、その影響を予測することすらできないのだ。)

「What can be said with certainty, however, is that the health of the local population has been sacrificed for the profits of the nuclear industry. Like so many people around the world, who are suffering from the industry’s endless appetite for cheap uranium for its warheads and power plants, the Lakota, too, can rightly be called Hibakusha.」
(しかしながら、確信を持って言えることがある。原発産業の利益のために地元住民の健康が犠牲になった、ということだ。核弾頭や原発のために安いウランが欲しいという原発産業の貪欲さに苦しんでいる人は世界中にたくさんいる。その人たちと同様に、ラコタ族もまた被爆者と呼ぶのが正解だ。)


以上

スリーマイル島原発事故の被害と原発マフィアの横暴:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

スリーマイル島原発
写真(スリーマイル島の原子力発電所) 出典:Todd MacDonald / creativecommons.org/licenses/by/2.0

 チェルノブイリ原発事故が起きる前、1979年のスリーマイル島の原発事故(アメリカ)は世界最悪と言われるレベルでした。大量の放射性物質が放出されたので周辺住民への健康被害も深刻だったのです。

 アメリカでは日本以上に原発マフィアが強大な力を持っていますので、事故の隠ぺい工作もひどいものでした。

・重大事故が発生したことを住民に知らせない。
・住民の被爆状況をきちんと調べない。
・放射能による健康への悪影響は無いと発表する。
・科学的調査・研究を妨害する。
・原子力産業の利益に反する研究発表を禁止する。

 2011年の福島原発事故以降、日本政府・官僚・東京電力・マスコミ・御用学者がやっていることと似ていますね。日本はアメリカの子分ですので、親分から悪知恵を授けられたのかもしれません。

スリーマイル島原発に反対する住民
写真(反原発集会に参加する住民たち)出典:NARA

IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が関連記事を書いています。以下にリンクを貼ります。

http://www.ippnw-students.org/Japan/ThreeMileIsland.pdf

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「The Three Mile Island nuclear power plant is located roughly 16 km from Harrisburg, Pennsylvania and was commissioned in 1978. More than two million people lived within 80 km of the plant. On March 28, 1979, the failure of the plant’s cooling system led to the worst nuclear catastrophe before Chernobyl. An emergency valve was opened to relieve pressure, accidentally releasing large quantities of coolant fluid. This resulted in a severe overheating of the reactor core and a meltdown of the radioactive fuel rods. The containment vessel held, but for several days, significant amounts of radioactivity were released into air, water and soil, mainly in the form of about 1.59 Peta-Becquerel (Peta
= quadrillion) of krypton-85 gas with a half life 10 years, and 740 Giga-Becquerel (Giga = billion) of iodine-131.」
(スリーマイル島原子力発電所はペンシルバニア州のハリスバーグから16kmに位置しており、1978年に運転開始された。その原発の半径80km以内には200万人以上が住んでいた。1979年の3月28日、その原発の冷却システムが故障し、チェルノブイリ事故以前では最悪の原発事故に繋がった。非常弁が開き圧力を下げたが、偶発的に大量の冷却液が漏れてしまった。この結果、原子炉の中心部が極度に加熱され、燃料棒の一部が溶融した。圧力容器は持ちこたえたが、数日間、大量の放射性物質が大気・水・土壌に放出された。放出したのは、半減期10年のクリプトン85ガスが約1.59×10の15乗ベクレルと、ヨウ素131が740ギガベクレルだ。)

「Engineers needed five days after the meltdown to identify the causes, regain control of the cooling systems, and reseal the reactor core. About 70 % of the reactor core had been damaged and 50 % of the fuel rods had melted down. To get rid of the 150,000 liters of radioactive water, which had been contaminated in the course of cooling efforts, the Nuclear Regulatory Commission (NRC) took the controversial decision to dump it directly into the Susquehanna River.」
(メルトダウン後に技術者たちが原因を突き止め、冷却能力を復活させ、原子炉を再密閉するまで5日間を要した。原子炉中心部の約70%が損傷し、燃料棒の50%が溶融していた。事故後の収束冷却作業により汚染された水は15万リットルにのぼる。原子力規制委員会はその汚染水をサスケハナ川に直接放出するという決定を行い物議を醸した。)

「The news of the meltdown was initially downplayed, but within days elevated radiation levels were registered in four adjacent counties. Authorities claimed that external exposure to radioactivity was relatively low, but did not take into consideration the cumulative effects of low-level radiation through ingestion of radioactive particles and never measured actual exposure in the field. Instead, the public was informed that the levels of radioactivity released were too low to cause any harmful effects. Nevertheless, Pennsylvania Governor Thornburgh ordered the evacuation of more than 140,000 pregnant women and small children from the area.」
(メルトダウンのニュースは最初控え目であったが、4つの近郊自治体で放射線レベルの上昇が記録された。外部被爆は比較的少ないと政府は発表した。しかし、食べ物を通じて放射性物質が体内に取り込まれて低レベル被爆の影響が徐々に増えることを無視していた。さらに、現場での被爆がどの程度か測定しなかった。一方で国民に対しては、放出された放射性物質は微量だから健康への影響はないと説明している。しかしながら、ペンシルバニア州知事のソーンバーグは、妊婦と小さな子供14万人以上に対して避難命令を出した。)

「In Dauphin and Lebanon, the two counties immediately adjacent to the site, studies found significantly elevated cancer and death rates in children, adolescents and young adults. From 1979 to 2001, 120 residents of these counties had died of cancer by age 19, a rate 46 % above the state average.」
(事故原発にごく近い二つの自治体、ドウフィンとレバノンで調査が行われ、若年世代での癌罹患・死亡率が急上昇していることが判明した。1979年から2001年にかけて、これら自治体の住民120人が19歳前に癌で亡くなったが、これは平均より46%高い数字だ。)

「Immediately after the meltdown, a large scale cover-up began. Pennsylvania Health Commissioner MacLeod, who warned publicly of a significant rise in hypothyroidism and infant deaths after the disaster, was fired immediately. Nuclear specialist Steven Wing of the University of North Carolina, Chapel Hill alleged that “a manipulation of research” had taken place: A court order prohibited upper limit or worst case estimates of releases of radioactivity or population doses if these had the potential to harm the interests of the nuclear industry.」
(メルトダウン事故後すぐに、広範囲での情報隠ぺい工作が開始された。ペンシルバニア州健康委員長のMacLeodは、事故後に甲状腺機能不全や幼児死亡の数が急上昇していると警告を発した為、すぐに解雇された。チャペルヒルにあるノースカロライナ大学で教鞭をとる原子力の専門家Steven Wingは、研究内容の改竄が行われていると訴えた。原子力産業に不利益が生じる恐れがある場合、放射性物質放出や被爆についての上限・最悪予測をしないよう裁判所が命令を下した。)

「Cleanup and decontamination efforts took around 14 years and cost American taxpayers about $1 billion. Thorough research on the health effects of the radioactivity released during the five days of the meltdown remains limited to this day. The nuclear industry’s lobbying worked well, with several industry-sponsored studies showing few or no effects of the disaster on population health.」
(事故の後始末と除染作業には約14年の歳月を要し、約10億ドルの税金が投入された。メルトダウン後の5日間で放出された放射性物質が健康にどのような影響を与えたか徹底的に調査・研究をしなければならないが、今日に至るまで限定的なものにとどまっている。原子力業界のロビー活動が功を奏しており、業界の資金で実施された幾つかの研究では、健康への影響はほとんど無視できるという結果を出している。)

「Independent investigations of the nuclear meltdown in Chernobyl have provided evidence, however, that radioactivity released by civil nuclear disasters causes significant harm to people’s health. The people affected by fallout from Three Mile Island are also Hibakusha– casualties of an irresponsible nuclear industry.」
(しかしながら、チェルノブイリ原発事故に関して独立した調査が行われ、放出された放射性物質は健康に極めて有害であることが証明されている。スリーマイル島の事故で影響を受けた人たちも被爆者であり、無責任な原発産業の被害者なのだ。)


以上

核実験の犠牲になったアメリカ国民:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

ネバダ州での核実験
写真(ネバダ州での地下核実験。巨大な放射性雲が発生してしまった。)出典:アメリカエネルギー省

 アメリカは1945年に広島と長崎に原子爆弾を投下し、何十万人という日本国民を虐殺しました。アメリカにとって原爆投下は人体実験でもあったのです。放射能の影響に関するデータを収集し、研究材料として本国に持ち帰りました。この時点でアメリカ政府は放射性物質が人体にとってどのように有害であるか具体的に理解していたのです。

 他国民を研究材料にするだけでは飽き足らず、今度はアメリカの自国民も犠牲にしてしまいました。1951年から1992年まで、ネバダ州の核実験場で合計1000回以上の核爆発を繰り返したのです。以下に概略を記します。

・周辺住民に対して核実験の見学を勧めた。
・住民たちに線量計を配布しデータ収集に利用した。
・ネバダ州を含む広大な土地・地下水・空気・食料などが放射性物質で汚染された。
・多くの健康被害が予見でき、かつ実際に発生しているのに政府は健康診断を実施しなかった。
・被害住民からの損害賠償請求にもまともに応じず、実質、放置している状態である。

ネバダ州での核実験に抗議する人達
写真(ネバダ州の核実験に抗議する人達)出典:Peter Drekmeier (Mark Bult), creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/2.0

 アメリカ政府はこの過ちから学びませんでした。そして、極一握りの強欲者のために大多数の庶民が犠牲になる無慈悲な弱肉強食社会を実現してしまったのです。今やアメリカは、人間が安心して暮らせるような場所ではありません。

 日本はアメリカの悪いところを真似する必要はありません。反面教師にすればいいのです。

IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が関連記事を書いています。以下にリンクを貼ります。

http://www.ippnw-students.org/Japan/Nevada.pdf

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「The Nevada Test Site, located about 105 km northwest of Las Vegas, was the largest and most important nuclear weapons test site in the U.S.. From 1951 until 1992, a total of 1,021 nuclear tests were conducted on the 3,500 km2 site: 100 above and 921 below ground. These tests released an estimated 222,000 Peta-Becquerel (Peta = quadrillion) of radioactive material into the atmosphere.」
(ネバダ州の核実験場はラスベガスの北西約105kmに位置しており、アメリカでは最大・最重要の核兵器実験場である。1951年から1992年にかけて3500平方kmのこの場所で、合計1021回の核実験が実施された。地上で100回、地下で921回だ。この核実験で大気中に放出された放射性物質は、推定で222,000×10の15乗ベクレルになる。)

「According to declassified documents of the Federal Civil Defense Administration, many of the tests were conducted specifically in order to determine the effects of nuclear fallout on the American public. As scientists found radioactive strontium in deciduous teeth of children in the U.S. and as rates of childhood leukemia and other cancers increased, public pressure began to grow to stop nuclear weapons testing.」
(国土安全保障省の前身機関により保管されて機密解除された資料によると、放射性粉塵がアメリカ国民にどのような影響を与えるのか調べるのが唯一の目的だった実験も多い。 放射性ストロンチウムを子供の乳歯から科学者が発見したり、小児性白血病や他癌の発生率が増えるに従い、核兵器実験の中止を求める国民の声が大きくなり始めた。)

「In 1963, President Kennedy signed the Limited Test Ban Treaty, which put an end to atmospheric tests at the Nevada site. Underground nuclear testing continued until 1992, however, and accidents continued to occur frequently: on December 18, 1970, for example, the underground “Baneberry” test of a 10-kiloton bomb released a plume of radioactive dust, which caused radioactive fallout to rain down on the test site personnel for many hours. An estimated total of 247 PBq of radioactive material was released, including 3 PBq of iodine-131. The radioactive plume continued to deposit fallout over northeast California, northern Nevada, southern Idaho and some eastern sections of Oregon and Washington.」
(1963年、ケネディ大統領は制限付きの核実験禁止条約に署名した。それにより、ネバダ州での大気中核実験は終了したが、地下核実験は1992年まで継続された。地下核実験は予期しない出来事を頻発させた。例えば1970年12月18日に実施された10キロトン爆弾Baneberryの地下実験では、放射性粉塵を含む雲が発生し、実験場の従業員たちが何時間にも渡って放射性雨で被爆したのだ。推定で合計247×10の15乗ベクレルの放射性物質が放出されたが、それには3×10の15乗ベクレルのヨウ素131が含まれている。放射性物質がばら撒かれてしまったのは、カルフォルニア北東部・ネバダ州北部・アイダホ州南部、そしてオレゴン州とワシントン州の東部だ。)

「In the 1950s, people living close to the test site were encouraged to watch the nuclear tests from their porches. Many were given radiation badges by the Atomic Energy Commission, so that their exposure dose could be recorded for field studies on the effects of nuclear fallout. Due to prevailing wind currents, the inhabitants of Utah were among those most affected by radioactive fallout.」
(1950年代、実験場近くの住民たちは玄関から核実験を見学するよう勧められた。アメリカ原子力委員会は線量計のバッジを住民多数に渡し、被ばく量を計測した。放射性物質が人体にどう影響するか研究するためだ。放射性物質の影響を最も強く受けたのはユタ州の住民であることが、風向きにより明らかになった。)

「Radioactive particles such as iodine-131 can enter the body through contaminated air, food or drink and can lead to cancer once incorporated. Children in the small town of St. George, Utah may have received thyroid doses of up to 1.2–4.4 Sievert. Subsequent epidemiological studies have shown a significant rise in the incidence of leukemia and thyroid cancer in the populations living downwind from the nuclear testing site.」
(ヨウ素131のような放射性物質に空気・食料・飲み物が汚染されると、人体に取り込まれて癌を誘発する。ユタ州の小さな町であるSt. Georgeでは、子供たちが最大1.2〜4.4シーベルトを甲状腺に被爆した可能性がある。後に行われた疫学的研究によると、核実験場の風下住民の間で白血病や甲状腺癌が顕著に増加した。)

「According to the National Cancer Institute, the U.S. population was exposed to a total dose of 4,000,000 Person-Sievert of iodine-131 through the nuclear weapon tests in Nevada – about 500 times the total radiation dose of Chernobyl (7,300 PSv). A study published in 1999 estimated that the expected cases of thyroid cancer due to the Nevada nuclear weapons tests amount to 10,000–75,000. Another report, published in 2006, found that 1,800 radiation-related leukemia deaths could be expected in the U.S. as a result of the Nevada nuclear weapons tests. Despite these alarming findings, no routine thyroid cancer screenings are undertaken in the affected regions.」
(国立癌研究所によると、ネバダ州での核兵器実験で発生した合計4百万PSvのヨウ素131にアメリカ国民が晒されたという。それは、チェルノブイリ事故で発生した7300PSvの約500倍に当たる。1999年に発表された研究では、ネバダ核実験が原因の甲状腺癌患者は10000〜75000人になると予測している。2006年に発表された別の報告書では、ネバダ核実験により白血病で死亡した人は、アメリカ国内で1800人にのぼると推定している。これら様々な警告があるにもかかわらず、基本的な甲状腺癌検査すら当該地域で行われていない。)

「In 1990, the Radiation Exposure Compensation Act was passed in order to compensate Downwinders for diseases that could be traced back to radiation exposure. Due to bureaucratic hurdles and a lack of large-scale scientific research, many of the casualties of nuclear weapons testing are finding it difficult to actually receive compensation. The Hibakusha of Nevada feel left alone with the legacy of nuclear testing.」
(被爆により病気になったと確認できる風下住民に補償するため、1990年に被爆損害賠償法が制定された。しかし、犠牲者の多くは、実際に補償を受け取るのは困難だと感じている。お役所の手続きは煩雑であり、大規模な科学的研究もされていないからだ。ネバダ州の被爆者たちは核実験の負の遺産と直面しつつ、アメリカ政府から見捨てられたと感じている。)


以上
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